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拡大生産者責任に逆行するエコタウン計画《連載第3回》
ダイオキシン関東ネット通信



石原都政の目玉、スーパーエコタウンのカラクリ
 
 
環境ルポライター 津川 敬

◆東電グループ進出
25年前、石原慎太郎は環境庁長官だった。しかし唯一彼がやったことといえば水俣病の患者団体をトコトン敵視する「魔女狩り発言」であった。その彼が東京都知事になって突如「環境問題」に目覚めた。3年ほど前から黒い粉を入れたPETボトルを持ち歩いてこれ見よがしに振り回し「国がやらないなら俺がやる」といってディーゼル排ガスの独自規制を宣言した。黒い粉は排ガスのススだった。もうひとつ彼がお気に入りの・環境・は大型産廃処理プロジェクトの立ち上げである。名付けてスーパーエコタウン。舞台はカジノと同じ東京湾岸である。「首都再生こそ日本再生の鍵」をスローガンに2001年3月、石原は「首都圏再生プロジェクト」を小泉首相に提案、資金出資を迫った。石原に逆らえない小泉は早速その5月、内閣に「都市再生本部」を設置、自ら本部長になった。その背景には「都市再生特別措置法」(2002年4月5日施行)が絡んでいる。これはバブル期に購入した土地が不良債権化したため、早いとこ処分したいという産業界の意向を受け成立した法律であり、景気対策に焦る小泉の思惑とも合致した。中身は「都市の再開発を民間主導」で進めるというもの。
地方で行き詰まっている公共事業を都市部で展開しようという悪巧みだ。それには思い切った規制緩和が必要で、当然ながら廃棄物規制の見直しも想定される。2002年4月、東京都は石原の意向を受けて「東京圏ゴミゼロ構想」報告書を公表し同時に東京湾中央防波堤内側処分場跡地と城南島(下水処理を主目的とした埋立地)の都有地を民間企業に分譲する「スーパーエコタウン事業」の一般公募を始めた。同年7月には18件の応募企業・グループの中から10件を選定する。その中で最大の事業主は、東電・荏原製作所・清水建設およびオリックス環境からなる「ガス化溶融等発電施設」であった。日量550トンと日本最大の流動床式ガス化溶融炉で廃プラスチックを主とする産廃を溶融。同時に100トンのバーチカル炉で医療廃棄物を焼却し、約2万3000kW/日の発電を行なうという大型プロジェクトである。このほか建設混合廃棄物、食品廃棄物、情報機器廃棄物のリサイクル施設など10件の事業が東京湾岸にズラり集結する。
 こうしてカジノと並んで環境が石原都政の二大目玉事業になった。



◆ 巧妙な土地転がし
石原は干葉、埼玉、神奈川の近隣3県から「東京都のごみ捨場」といわれることをいつも気にしていた。スーパーエコタウンはその非難をかわすための有力な宣伝材料となる。首都圏の産廃は全部うちで引き受けよう」と胸を張れるわけだ。
だが事業者の中には東京都の強引なやり方に反発もあった。最大の不満は施設建設用地が賃貸でなく分譲方式だったことである。しかもそれが相場よりかなり高額だった。東京都が分譲した土地は、前記中防内側と城南島の、それぞれ−部である。その中防内側は1平方メートルあたり15万5000円。城南島は25万2000円であった。ちなみに同じエコタウン事業を展開する川崎の場合はその3分の1、北九州エコタウンは1平方メートルあたり3万円だという。しかも相対的に値段の安い中防内側(約2.9ha)は東電グループ(東京臨海リサイクルパワー)に買われ、建設混合廃棄物処理施設を建設する(株)タケエイグループや食品廃棄物めリサイクル施設をつくる(株)市川エンジニアリンググループらは高い城南島(約6.2ha)を買わされている。要するに東京都は「首都圏再生プロジュクト」の名で「造成はしたものの売れそうにない土地」を民間に売りつける巧妙な商売に成功したということである。その結果、1000万都民が何も知らぬまま廃棄物発電(廃プラスチック主体)を合法化する大型ガス化溶融施設ができ、いずれPCB処理施設までもが東京湾岸に誘致されることになる。全国への波及効果は計り知れぬものがあろう。これが第二期都知事選にも持ち出した石原流”環境政策”の中身である。ただし街頭演説では例のPETボトルを振って聴衆を目くらましさせていたが−−−。
なお、環境アセスが中防内側の東電グループ(東京臨海リサイクルパワー(株))について始まっている。すでに江東区内で評価書案の公示・縦覧が3月に行なわれたが、残念なことに住民の関心はほとんどない。この分では申し訳のように設けられている「都民の意見を聴く会」(見解書の公示・縦覧後)も開催されない公算が強い。
一方、大田区に属する城南島一角で建設混合廃棄物の処理に名乗りを挙げた高俊興業(株)が土地造成を始めているが、敷地面積を2,988.2m2で許可をとっているため3,000m2以上に適用されるアセスの実施を免れている。姑息としかいいようがない。

 
     
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