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1970年代、ルアー(疑似餌)を使った釣り(ルアー釣り)が最初のブームを迎える。
▼ブラックバス(当時はオオクチバス)は、ルアー釣りに最もふさわしい対象と考えられた。
▼オオクチバスが急速な広がりを見せ始めた当時、その影響を危惧する反対論もあり、バス擁護・推進する側との間の議論も持たれた。しかし、分布拡大を防ぐための有効な行政的措置がとられることはなかった
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いっぽう、当時、バス推進派(いまや著名となった「バスプロ」も含まれる)が自らヤミ放流したり、釣り人に確信犯的なゲリラ放流をそそのかす記事も、当時の釣り雑誌などに残されている。
▼過去20年ほどの間にオオクチバスが急速に分布拡大したのは、その大部分が、バス推進派(業界や業界人)と釣リ人による無秩序・無思慮な放流行為によるものであることは、間違いない。
▼最近のコクチバスのヤミ放流にも、同様に釣り業界関係者が関係していることが報道されている。
▼推進派は、このような無法行為が過去・現在に指摘されても、「悪意に満ちたバス叩き」程度の釈明しかできないのが現状である。悪事を一部特定の輩に押しつけ、自らはその上にあぐらをかいているのが現状。
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ところが、1970年代当時、すでに滋賀県(琵琶湖)や山梨県(河口湖)など、今や日本有数のバス釣りフィールドとなっている湖を含む県のなかには、漁葉調整規則によって指定魚種以外は公共水面への許可なき放流行為を禁止していたところが少なくない。
▼そして、コクチバスが拡大の兆しを見せるなか、都府県レベルで漁業調整規則が整備きれ、バスなどの外来魚の移殖を禁じる動きが全国的に広まった(現在では6道県以外で移植禁止とされている)。
▼これは、行政の立場としては、「バスはいては困る魚」と位置づけていることを示している。 |
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しかし、バスの分布拡大は今も続いている。なぜか?
▼漁業調整規則が十分に認知されていないこと以上に、ほとんど抑止効果を持たないのが現状。実際、罰則規定が軽いうえ、現実に処罰された事例が全国で1件もない。
▼そのうえ、「いる魚を釣ることを禁ずる」ような法的根拠はない。
▼つまり、捕まることのない規制しかないうえ、魚が定着してしまえば釣り放題。すなわち“入れた者勝ち”の状況であり続けたことが最大の間題。
▼推進派や釣り人の主張は、「悪いのは違法行為をした一部の釣り人。釣りを楽しんでいる多くの釣り人は悪くない」というもの。そもそも違法行為がなければ釣りそのものが成り立たないという現実、すなわち、釣りブームが違法行為の“成果”に大きく依存しているという現状を、彼らはどのように考えているのか?
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ため池など“私的管理”された水域では、釣り人の立場は、所有者や管理者の許可(容認)があってはじめて、池へ立ち入り、魚を放流し、釣りをさせてもらう、というもののはず。
▼ところが、現実には魚が勝手に放流され、ときに管理者の意向を無視した釣り行為が行われる。違法駐車やゴミ問題、農業施設の破壊など、釣り人による卑劣な迷惑行為は後を絶たない。根本的に間違っていないか?
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