食と環境
 
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食と環境


「食」と「環境問題」に共通点はないように思えますが、現在の日本の食糧事情は、世界各国に多大なる影響を及ぼしています。

30年ほど前から徐々に日本の食料自給率は低下し、近年では50%を割り込んでいます。日々、世界中から大量の食糧品が輸入され、消費されていますが、最近、ようやく残飯や資源の無駄使いが問題視されるようになり、効果的な利用法の工夫や生活上の改善が話題になってきているとはいえ、まだまだ使い捨てが当たり前のような現状です。

食糧を輸出している国々の土壌の栄養分は作物として海外へ運び出され、生産地域の栄養分はどんどん減少し続けています。これを「貧栄養化」といいます。地球上の栄養分が日本に集中し、他の地域では栄養が不足する。そんな地球規模の貧栄養化現象に、日本の「食」が拍車をかけています。

日本の沿岸漁場は「富栄養化」が進行し、赤潮の多発とヘドロの堆積に悩まされて、ついには魚の再生産も阻害し始めているようです。もちろん、漁業者による乱獲も、国土開発のための人工構造物による環境破壊も、都市への過密も、農山村の過疎化も、それぞれが漁場悪化に働きかけています。

しかし、過剰な栄養分の集中がもたらす環境変化のスピードは、生物たちの生態系を維持安定させるには早すぎて、消化不良を起しているようなものです。

海も今や生活習慣病にかかっているとみるべきかもしれません。治療法は、人間と同様にダイエットと運動です。自前の食糧でできるだけまかなうような供給体制。輸入で入ってきた分の栄養分は、何らかの製品の形にして輸出国に送り返す。いままで蓄えてきた日本列島周辺の過剰な栄養分の消化の促進。そのようなことを実行するにはどうすれば良いのでしょう。

消費された食糧の人の口に入ったものは排泄物となって下水処理場などで屎尿の処理が行なわれます。口に入らなかった廃棄物はゴミとなり、一部は肥料となりますが、結局、環境中に出て行くことになります。

下水の処理とて、栄養成分でいえば半分以上は無機化される窒素やリンが、処理排水として下流の海に流されます。つまり、輸入された食糧の栄養分は形を変えて日本列島の周りに集まりつつあるわけです。これ「富栄養化」といいます。

食糧と水がキーワードになる21世紀。日本の「食」も、食材の多様化という目新しさに依存した発展方法を考え直し、また経済性ばかりを優先した仕入れ供給から脱皮して、環境づくりの担い手としての視点を身につける必要があります。


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